富士の噴火が創ったアート


溶岩樹型
(Lava Tree Mold)
溶岩流が樹海や森林帯を流れ下ると、樹木が溶岩流中に閉じ込められ木質部は焼失するが、樹木の組織や外形が溶岩流中に印されます。これが溶岩樹型です。特に、水分を豊かに含んでいる生木を包み込み、樹木を取り囲んでいる溶融している溶岩が急冷し、非結晶のガラス質を含む、結晶の細かい緻密な固い殻(クラスト)・急冷周縁相(チルドマージン)を作り、円形の樹型殻に囲まれた木の形が、そのまま残っているものが多く認められます。横臥型や傾斜型の溶岩樹型に空気(酸素)が入って再溶融すると、溶岩が壁を流れ下り、肋骨状の側壁になることもあります。形から胎内という名前がついています。また、急冷によりガラス状のツルツルした玻璃光沢を側壁や天井部に有しているものも多く見られます。また、天井部等から、つららのように垂れ下がっている溶岩鍾乳石、カーテンのように垂れ下がっている幕状溶岩鍾乳石も認められることもあります。溶岩樹型はその形から、井戸型・石柱型・傾斜型・横臥型・流木型・不動岩型・管状型等様々に分類されますが、大自然の造形品は全く二つと同じものではなく、極めて多様性があります。

溶岩樹型の成因
溶岩流の流下
溶岩流の流下
樹木が取り込まれる
樹木が取り込まれる

樹木が焼失して跡に空洞が残る
樹木が焼失して
跡に空洞が残る

溶岩樹型溶岩水蒸気噴気孔
(溶岩樹型型スパイラクル)
溶岩樹型型溶岩水蒸気噴気孔(Tree Mold Lava Spiracle)とは、樹林帯等に溶岩流が流れ、取り込んだ樹木の水分等を蒸気化して、噴気孔を形成しているスパイラクルです。模式的なものは、下方に樹型殻部やガス溜まり部、中央に葉片状溶岩のガス通過部、上方にロート状のガス爆発口部等を有していますが、様々な形態のものがあります。一応、樹型殻部が30%未満で、樹木が燃焼して形成されたと推定される水蒸気噴気孔を言います。樹型殻部が全体の70%以上もあるものは溶岩樹型、30%〜70%未満のものは、スパイラクル型溶岩樹型として区別します。タテ型のものが多く、鳴沢村ジラゴンノ運動場で断面、クリエーションパークで平面的に多様のタイプのものが観察されます。

溶岩火ぶくれドーム
ブリスタードーム(Lava Bilster Dome)
お餅を焼いて食べる時に、お餅が膨らむのを見たことがあると思います。お餅が膨らむのは、中の水分が蒸気化して、膨らみを作るからです。そして、中は空っぽになります。同じ様に、高温の溶岩も加え込んだ多量の水分が蒸気化して火ぶくれの様に、膨らんだ地形をつくります。これがブリスタードームです。膨らみの中に溶岩洞穴のような空洞が形成されることが多いです。空洞の中には、小プレート状の溶岩板が何枚も形成され、ガス圧により膨らんだ時に、未固結溶岩が擦り合った溶岩擦痕も形成されることがあります。また、ガス圧により小爆発することもあります。

溶岩鍾乳石
天井部や側壁等に溶岩の垂れ下がりが見られます。これは、鍾乳洞で見られる鍾乳石にその形が似ていることから溶岩鍾乳石と呼ばれています。溶岩鍾乳石は、溶岩洞穴や胎内型溶岩樹型が形成される時、それらの空洞部に空気(酸素)等が割れ目などから入り再燃焼し、溶融した溶岩が天井などから垂れ下がり固まったものです。

大型気泡
溶岩流中には気泡が存在しますが、これらのうち規模の比較的大きなもの(直径約10cm以上)を大型気泡と呼んでいます。

溶岩樹型の種類
井戸型樹型
井戸型樹型
不動岩型樹型
不動岩型樹型
傾斜型樹型
傾斜型樹型
横臥型樹型
横臥型樹型
流木型樹型
流木型樹型
石柱型樹型
石柱型樹型
管状型樹型

管状型樹型
大砲型樹型

大砲型樹型

【監修】
◎大月短期大学地球科学研究室
  教授 田中 収

◎山梨地学会
  顧問 口野 道男


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